「なんで片付けてくれないの？」そんな不満がつい口から出てしまい、家族やパートナーと険悪なムードに…そんな経験はありませんか？
一緒に暮らす大切な人だからこそ、片付けについての伝え方には工夫が必要です。
このコラムでは、「片付けろ」と言わずに相手に行動を促すコミュニケーションのコツを紹介します。心の距離を縮めながら、家の中もスッキリきれいに整えていきましょう。
「片付けができていない」と感じる場面でも、本人にとっては“散らかっていない”こともあります。人それぞれ、育った環境や性格によって「片付けの基準」は大きく異なります。まずはその違いを受け止めることから始めましょう。
例えば、自分は「床に物があるのがイヤ」でも、相手は「使いやすいから出しておきたい」と考えているかもしれません。価値観を押しつけるのではなく、「どうしてそうしているのか？」を尋ねてみると、相手の考えが見えてきます。
片付けについて指摘する際、否定的な言葉はNGワード。「なんでこんなに散らかってるの？」「だらしない！」と言われれば、誰でも反発したくなってしまいます。
そんなときは、まず共感から始めるのがコツ。「忙しくて片付ける時間ないよね」「つい後回しにしちゃう気持ち、わかるよ」など、相手の立場を理解する言葉をかけることで、心を開いてもらいやすくなります。
そしてそのうえで、「一緒にちょっとだけ片付けてみようか」「ここだけ整理できたら気持ちいいかもね」と提案することで、自然な流れで行動につなげやすくなります。
ただ「片付けて」と言うのではなく、なぜ片付けるのか、その“目的”を共有することが大切です。
たとえば「探し物がすぐに見つかるようにしたい」「来客があるからキレイにしておきたい」「気持ちよく過ごしたい」など、目指すゴールが明確になれば、相手も協力しやすくなります。
「きれいな部屋で週末に映画観ようよ」など、楽しいイメージと結びつけるのも効果的です。片付けを“義務”ではなく“前向きな準備”として伝えることで、受け入れやすい雰囲気を作ることができます。
一度に部屋全体を片付けようとすると、相手も自分も疲れてしまいます。そこでおすすめなのが、「今日はこの引き出しだけ」「玄関の靴を整えるだけ」など、ほんの少しだけ取り組むこと。
そして片付けた後は、「ここ、すごくスッキリしたね」「やっぱりキレイになると気持ちいいね」と声をかけて、小さな成功体験を一緒に喜びましょう。これを積み重ねていくことで、相手も自然と片付けの気持ちよさを実感し、行動が変わっていきます。
どうしても片付けが苦手だったり、物が多すぎて手に負えなかったりする場合は、プロの片付け業者に依頼するのも一つの手です。家族やパートナーの負担を軽減し、関係を悪化させずにスムーズに片付けを進められるメリットがあります。
また、業者に入ってもらうことで、「ここまで片付くんだ」という実感や、リセットされた空間の心地よさを感じることもできます。それが“次は維持しよう”という前向きな意識づけにつながることもあります。
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